鹿児島出身の友人は、酔っ払ってカラオケに行くと決まって歌う歌があります。
それが長渕剛さんのとんぼだ。
鹿児島の田舎から都会に出てきた人間にとって、とんぼという歌はとにかく心に染み渡るそうだ。
そして友人が歌っている時に合いの手で「帰るでごわす!田舎もん!」とバカにして笑うのが2人のお決まりのようになっていた。
そしてあるスナックに行った時、いつものように友人がとんぼを歌い始めた。
こいつ、スナックでも歌うのかよ、と内心思っていたし、さすがに他の客もいる中でいつもの合いの手はだめだよな、と思っていた。
ただ、私もかなり呑んでいたので、ついいつもの癖が出てしまい言ってしまったのだ。
「帰るでごわす!田舎もん!家で芋でも洗っとけ!」といつもよりがっつり鹿児島の田舎出身をイジったんです。
でも、合いの手を入れた直後に、そのお店が鹿児島出身のオーナーが鹿児島の酒や料理を振る舞ってくれるからと、友人が連れて行ってくれたのを思い出して背筋が凍った。